人事採用側からみた、お金のこと

2月も半ばを過ぎ、春を少し感じる日も増えつつあります。そうとは言え、県内にはまん延防止等重点措置の発令がされれています。今年ほど春が待ち遠しく思える年は久しぶりのような気がしています。
さて、前回の記事ではお金についてのお話をしました。今回もその続きです。

今回のテーマは、“人事採用側からみたお金のこと”について。人事担当の皆さんは、ファイナンシャル・ウェルネスという言葉を耳にしたことはあるでしょうか。直訳すると金融の健康度となるそうです。

ファイナンシャル・ウェルネスとは

「お金のことで悩みを抱えていると、仕事でのパフォーマンスが損なわれ、生産性の低い働き方になってしまう。すでに米国の企業では社員のサポートプログラムとして導入している企業が増えており、日本の企業も上記の視点から、導入の必要性が高まっている」

といわれている概念です。わかりやすく言えば「お金のことで悩みを抱えていると、仕事でミスが多発したり、気持ちも前向きさがなくなる……」という考え方です。――確かに、なんだかその通りのような気がしますね。

社会に求められる“賃上げ”と現実

ここ数年、政府が企業経営者に対し“賃上げ”を要請するケースが目立ちますが、あのニュースを見て皆さんはどのように感じるでしょうか。実際に賃上げを行える企業は一握りだと思いませんか?このコロナ禍では特にそう感じます。「口で言うのは簡単だ――。」と言いたくなるほどに厳しい社会情勢といえるでしょう。
そこで、このような昨今の厳しい経済状況下でこそ、このファイナンシャル・ウェルネスについて経営者と労働者それぞれが興味を持ち、理解を深めていく必要があります。

働く環境に良いサイクルを生む“ファイナンシャル・ウェルネス”の考え

ファイナンシャル・ウェルネスを高めることが、なぜ求められているのでしょうか?
ここからは少し極端な表現ですが、ご説明します。
まず、企業がお金の悩みを取り払う目的として、何らかのアクションを起こすとします(例えばこまめな経営方針の明示や、細かなお金の動きの可視化、保障、ヒアリングなど)。お金の悩みが軽減された従業員は少しずつ安心して仕事が出来るようになります。これにより仕事の能率が上がるのなら、業績のアップに繋がると考えられています。結果、企業は給与のベースアップや賃上げを図る体力・地力が付きます。

お金の悩みが少しでも減れば、経営者も従業員も将来設計を立てやすくなる。そうすればさらなるやりがいが生まれ、活きいきとした職場に変わってゆくことでしょう。(※もちろん金融の健康度を高めるために、心身の健康を度外視した労働は許されませんが)

働く環境に、こうした“良いサイクル”を生み出すことが、ファイナンシャル・ウェルネスを高めることの本質といえるでしょう。今後の社会において重要で、注目されはじめている事柄です。

実際に「賃上げは難しいけれど、上記のようなサポートプログラムを導入し、社員に少しでもお金についての心配事を減らしてほしい」と願う企業経営者の方々も、この長野県にいらっしゃるようです。

まずは話をする・聞くところから

有名な保険相談窓口サービスの会社(きっと皆さんもご存知の会社です)のテレビCМなどで、タレントさんが「相談にのってもらって、何だかスッキリした!」と言っていますが、その気持ちは筆者も随分共感できます。お金の話を第三者に相談することで客観的な視点に立てるため、頭が整理できたのでしょう。きっと会社の社長さんなどが銀行や会計事務所の方に経営について相談したときに気持ちが楽になるのと同じ状態なのかもしれません。(もちろん、かえって悩みが増えてしまうこともあるかもしれませんが……)
まずはお金の悩みを話題にコミュニケーションをとってみる、というだけでも十分効果はありそうですね。

「最初から」お金の悩みを抱えて社会に出る若者たち

ではここで、前回の記事で取り上げた奨学金に焦点を戻してみましょう。
今日の学生さんは、この奨学金、正確に言えば返済型奨学金を借りて卒業してくるケースが約50%強と言われています。はっきりとした数字は不明ですが、筆者の体感では理系学生に多いです。おそらく私立理系は学費が文系よりも高いことが要因と考えられます。

――奨学金。聞こえは良いですが、わかりやすく言えば借金です。これはまさしくお金の悩みと言えるでしょう。そして人事担当者の皆さんは、この“学生の段階からお金の悩みを抱えた若者達”を採用しなくてはならないのが、今や当たり前の時代となっているのです。
ではその“採用する側の人間”には、どのようなことが求められるのか。わたしたちはこれからも絶えず考えを巡らせていく必要がありますが、その内のひとつとして、今回ご紹介したファイナンシャル・ウェルネスについて理解を深めることが求められているといえます。

いかがでしたでしょうか。“採用側からみたお金のこと”としてファイナンシャル・ウェルネスについて述べてみました。
これからの時代において企業を成長させるための採用活動をするには、”働く人材の金融事情”を把握し、会社と個人のファイナンシャル・ウェルネスを高めるアクションが必要ということがわかってきました。

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お問合せ
株式会社杏花印刷REALプロジェクトチーム
e-mail:kyoka@oregano.ocn.ne.jp

次回はいよいよ採用活動本番の3月ですので、新しい採用広報の考え方を記事にしてみたいと思います。
ちなみに、お勧めの本があります。
神戸大学大学院経営学研究科准教授服部泰宏 氏著 新潮選書発行「採用学」という本です。
採用活動本番を前にお勧めの一冊です。
この機会に是非読んでみてはいかがでしょうか。