春に向けて〜世の中を知るには、お金の流れを知ればよい〜

久々の更新となります。

3月に入り、大学生・専門学校生の就職活動が解禁になりました。売り手市場の採用戦線ではありますが、皆さん悔いのない就職活動をしてほしいものです。

さて、先日、日本経済新聞を斜め読みしていましたら、以下のような記事が目に留まりました。「出生数の低下が、今後の年金に及ぼす影響について」という内容の記事です。

皆さんもご存知かもしれませんが、2025年の日本の出生数が70万5809人と統計発表がありました。政府は出生数が70万人台落ち込む時期を2042年と想定していたようですが、それよりも17年も前倒しで出生数の減少が進行しています。(国立社会保障人口問題研究所より)

このことで、「所得代替率」が将来にわたり50%を維持できるという見通しが、2065年の時点で50%割れになってしまうことが予測されるようになりました。

2065年というと、今から約40年後、つまり、この春新社会人になる人、来春新卒で社会に出る人たちが60歳代になっている、ということになります。「所得代替率」とは、一般的に公的年金を受け取り始める65歳の時点の年金額が現役時代の平均年収(賞与込み)の何%にあたるかを示す指標のことを指します。

概ね日本人の平均年収を400万程度で考えると、これまでの想定では、受給される年金額年間約200万円が、それ以下の受給額に下がってしまうということです。

この状況を踏まえると解決方法は概ね2つ+aではないでしょうか。

  • 1つ目は、少子化対策を実施し、出生数を増やすこと。
  • 2つ目は、経済を成長させ、1人当たりの所得を増やすこと。
  • これに加え、+a要素として、NISAやiDeCoなどでの資産運用を行い、公的年金だけに依存しないマネープランを早い段階から構築していくこと。(資産運用についての記事はこちら)

1つ目の出生率については、個人の努力ではどうにも解決できない問題です。2つ目の所得に関しては、職種や職位によって個人単位の改善は出来るかもしれませんが、それが直接的に景気改善につながるかといえば、そんなことはありません。よってこちらの問題も、ひとりの努力では社会レベルでの解決はできない問題といえます。
しかし+aの要素については、国民共通の選択肢として取り組む人が増えれば、ある程度の社会的問題解決の糸口にはなるのでは、と考えられます。そのために国はNISAという制度を作り、一定額までは全国民が非課税で投資ができるように整備されています。せっかくの権利なのですから、使っておくのが得でしょう。

もちろん投資信託は情勢の影響などにより元本割れのリスクもありますが、それ故に「少額・長期・分散運用」することでリスクを減らすのが鉄則です。

よって、早いうちから少しずつ運用することで、順調に推移すれば将来的に大きな運用益を得ることも期待できます。年々雲行きが怪しくなっていく、「将来貰えるかも分からない年金」にただ不安を募らせるよりは、「将来年金を貰えても貰えなくても、非課税になる制度を利用して別途備えておく」方が、幾分か見通しが立ち、安心感が生まれるのではないでしょうか。

確かに奨学金の返済や物価高など、お金にまつわる不安は尽きません。しかし、ほんの僅かずつでも積立投資に充てることができれば、いずれは「チリも詰めれば……」となる可能性があります。なんといっても非課税で行える制度があるのですから。(何よりも、「少額・長期・分散投資」が鉄則です。)

また、世の中を見渡すと、積極的に賃上げに取り組む会社も増えてきました。
現状、「実質賃金」という面で見れば、“トントン”の方も多いかもしれませんが、毎月の出納から全てを差し引いた上で、一番最後に余剰資金があるのなら、一部を投資に回してみるのもおすすめです(例えば、毎月の自販機飲料代を水筒持参に変えて、その分を回すなど)。まずは「増えたら嬉しい」程度の心づもりで、過度に期待しすぎず、お財布の許す範囲で、堅実にコツコツと取り組んでみましょう。

さらに、自身のお金を運用することで、経済の流れや社会の動向に自然と関心が出てきます。投資しているファンドの特徴や、投資先の企業の動向、産業のトレンドなどが見て取れますし、その中で投資先の企業や業種が成長していると、嬉しくなります。

そうして得た知識や、そこから感じたことなどは、いずれ仕事の役に立つこともあるでしょう。
自分の携わる業種が、世界経済の中でどのようなポジションにあるのか、どのような役割を持っているのかを俯瞰することができます。そうすると、例えば若手社員の方であれば、自分の業種への向き合い方を考えるきっかけになったり、管理職や経営者の方であれば、事業の方向性を見直す指標になったりすることもあるでしょう。

そしてこの春、新社会人になる皆さんや、3月から就職活動をスタートさせた皆さんも、既に今のうちから前述のようなことを考えながら生活をしても、別段「早すぎる」ということはないと、筆者は感じています。むしろ早いほどメリットが多いのではないかとも思います。

つまり「世の中を知るには、お金の流れを知ればよい」

まあ、このような言い伝えがあるわけではありませんが、新社会人さん、そして新就活生さんに贈る言葉とさせていただきます。

もちろん私たち年長者も、もっとお金のコトを知らないといけませんが……。