「野球ってやっぱりすごいなあ!!」侍ジャパンから学ぶこと

侍ジャパンの戦いぶりから

桜前線も徐々に北上し、一段と春らしくなってきました。
野球好きの筆者としては、侍ジャパンの輝かしい功績と共に春を迎えられたことを嬉しく思います。

皆さんの中にも、WBCをご覧になって「魂を揺さぶられた」方も数多くおいでになると思います。
いや、本当にすごかった!野球をあまり知らない方でも「あの戦いぶりに感動した」という方が私の周りにも結構いらっしゃいます。もちろん私にとっては、本当に記憶に残る大会でしたね。(一番印象に残っているのは、9回裏大谷選手がブルペンからマウンドに向かっているシーンです。「泥だらけのクローザー」格好良かったですね)

様々なところで(メディアでも、またネット上でも)いわわれていますし、今さらかもしれないですが、今回の侍ジャパンの戦いぶりは

  • 諦めないことの大切さ。
  • 繋げることの大切さ。
  • その時やれることを、しっかやることの大切さ。

この3つを、私たちに教えてくれたような気がしています。
特に3つ目の「その時やれることを、しっかりやることの大切さ」は、日ごろの心がけ次第で何とかなることのように思えます。
つい出来ることを後回しにしてしまったり、そのうちに忘れてしまったりと、とかくなりがちですが、この積み重ねこそが良い結果を生む近道だと準決勝のメキシコ戦を振り返りながら思いました。

例えば具体的な事例でお話をすると、1点ビハインドで迎えた9回裏(最終回)、先頭打者の大谷選手がヘルメットを飛ばしながらツーベースヒットを打ちます。次の打者の7回裏に同点スリーランを打っている吉田選手です。しかも彼は4番打者。この4番打者がフォアボールを選んだこと、要は5番の村上選手に繋げたことが「その時やれることを、しっかりとやること」の良い事例だったと思います。
WBCも準決勝まで進むと対戦相手のレベルも高くなりますので、そうそうホームランや長打は打てるものではありません。一方で次の打者は、この大会不振が続いている村上選手ですが、チーム全体が彼を信じたことがあの感動的な逆転サヨナラ勝利につながったわけです。そしてピンチランナーの周東選手を温存していたことも。
ちなみに、その前のイニングだったと思いますが、やはりピンチランナーの阪神の中野選手が起用されています。その時「なぜ周東ではないのでしょうか」という放送席の声に、解説者(槇原さんか佐々木さんのどちらかが)「まだ9回の攻撃がありますからね。それまで周東は温存したほうがよいでしょう。」と解説されていました。サヨナラのホームは、きっと周東選手の足でないと生還できなかったのででしょうから、これも「その時できることを、しっかりやったこと」のひとつでしょう。

「結果」と「プロセス」どっちが大事?

さて、野球の話に夢中になってしまいましたが、私はよく若い皆さんにこう伝えています。
「全力を尽くして、やることをやった結果ダメだった場合は仕方ない。でも全力を尽くさず、その時やるべきことをやらずに失敗するようなことはして欲しくない」と。
結果は常について回りますし、良い結果であればそれに越したことはないのですが、そこに至るまでのプロセス(過程)も結果と同じくらい大事にして欲しいのです。

長い道のりも大切に

日本は失われた30年といわれて久しいですが、この30年は「プロセスよりも結果だけを見る傾向」が強かったかもしれませんね。(これについては前回記事でもふれています)
またそれよりも前の経済成長期の時代において、振り返り・深い考察をしないケースでも比較的良い結果が生まれていたことは、「結果オーライ」というような価値観を作った遠因なのではないでしょうか。
一方、最近ではどれだけ頑張っても良い結果が出るとは限らない世の中になってきました。
もう一度丁寧にプロセスづくりを見直し「言語化」を意識することが必要だと思います。
また過程を重要視することは、頑張った結果が望ましくないものだった場合に「過程を振り返り、そこから何を学べるか」を見極めることにも繋がるのです。

そのプロセスを糧に成長できるかどうかを重視することが、これからの時代を好転させるカギになるのではないでしょうか。

WBCで選手たちが教えてくれた「その時やれることを、しっかやることの大切さ」つまり「そこに行きつくまでのプロセスの大切さ」を心に刻み込んで、新年度を迎えたいと思います。

結果は大事。でも、振り返って過程を見つめることも同じくらい大事。