採用広報と「ジョブ型雇用」

4月も後半に入り、暖かい日も増えてきました。

人事の皆さまにおかれましては、新入社員研修や来年度の新卒採用が最初のピークを迎えるなど、お忙しい時期を過ごされていることと思います。

一方世の中は相変わらずで、コロナウイルス感染者数は高止まり、ロシアとウクライナの戦争は長期化し、それに伴う物価高騰など、見通しが立ちにくい状況です。しかし視点を変えれば、あらゆることが“見直し”の時期に差し掛かっているようにも感じるのは筆者だけでしょうか。

見直しと言えば、前回の記事で述べたように“採用の見直し”も必要ではないかと考えています。正確に言えば“採用広報の見直し”です。その中でも今回は“ジョブ型雇用”に関して少し述べてみたいと思います。

まずジョブ型雇用とはなにか。かいつまんで説明すると、企業が人材の採用にあたりあらかじめ従事する職務・勤務地・労働時間などの条件を明示し、取り決めた内容に沿って雇用契約を結ぶ形態のことです。
参考:ルートテック様「ジョブ型雇用とは?これで理解できる!特徴・メリット・デメリット・メンバーシップ型雇用との違い

これまでの日本の雇用、とりわけ新卒採用は、入社後に就く業務内容が明確になっていない状態で採用され、入社後に様々な業務・勤務地を経験しながらキャリアアップを目指す“メンバーシップ型雇用”が中心で、ジョブ型雇用はあまり実践されてきていませんでした。
特に新卒採用では、大手保険会社などが実施している地域限定型採用などを除くと、ほぼ皆無だったのではないでしょうか。もちろん「マネジメント業務に長けている」とか「専門性を高めた業務のほうが向いている」など、キャリアの過程で専門性の高いポジションへシフトしていくということはよくありますが、ほぼ終身雇用を前提としたこれまでの日本の雇用慣行において、メンバーシップ型雇用は労使双方にとって有効に作用していたと言えるでしょう。※欧米の雇用スタイルは、ほぼ「ジョブ型」が一般的です。

最近日本国内でも、「ジョブ型雇用の比率を増やそう」という意見が出始めています。
理由としては以下のことが挙げられます。

・ワークライフバランスの充実
・賃金や対偶における男女格差の解消
・特定分野におけるスペシャリストの育成

昨今政府が推進する“働き方改革”の目標のような内容といえます。しかし私はジョブ型雇用を経済界の視点だけではなく求職側、とりわけ新卒の学生側の視点で捉えてみることが重要だと考えています。なぜなら、以前からブログで取り上げてきたとおり、大学の学部学課が以前と比較して随分と細分化され、職業高校などにおいても同様の傾向が強まっているからです。

またこのことから、学生は高校卒業時(場合によっては中学卒業時)におぼろげながらも、自分が将来就きたい仕事をイメージしながら進学を考えているといえるのではないでしょうか。そういった環境で育て上げられた求職者たちの中から、採用者側が自社にとって適切な人材を選出できれば、ジョブ型という雇用形態はその効果を大きく発揮すると考えられます。(そのためには自社内の人材ニーズを見極めることが肝要です)

そして、その学生たちが“将来のイメージがしやすくなる環境づくり”こそが、私たちの取り組みの本質といえます。

こういったお話をすると、たまに「学生のうちから将来を決めさせるなんてナンセンスだ」言われることもあるのですが、筆者は必要なことだと考えます。個人的な例になってしまいますが、我が子の時はある程度将来の目標や目的を持ったリアル目線の進学をしてもらいました。私の経験談である以上「あなたの場合の話だ」と言われてしまっても仕方ありませんが、ここで重要なのは、親御さんがお子さんに対して“将来の夢だけ”もつことを求めるのは避けるべきだということです。決して夢を持つことを否定しているわけではありません。夢を持つことは人を突き動かす原動力といえますし、それによる行動の結果は数々の成果・発展をもたらします。

だからこそ本人にも親御さんにも、“その夢を実現するために、リアルなキャリアプランを練る”という時間が必要だということをお伝えしたいのです。親御さんやお子さんの将来に関する“目標設定”の第一歩として、また採用する側が“目標に向かって歩んできた学生”へ歩み寄る第一歩として、ジョブ型雇用について少し理解を深めてみてはいかがでしょうか。

最後にSo‐MatchのPRです。ジョブ型雇用(採用)のサポートはSo‐Matchとの相性が良いと考えています。
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株式会社杏花印刷REALプロジェクトチーム
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