AIに叱られた話と、年末を迎えて。
今月のブログはAI関連のお話からしたいと思います。
一つ目はAIに叱られたお話から。

先日、用事でとある会社に電話をした時の出来事です。
対応してくれた方(中高年と思われる方)が、こちらの質問に対して今ひとつ要領を得ないレスポンスをされたため、少しムッとして、電話を切った後自身のスマホで中高男性(自分も高齢者世代ですが)を非難するような言葉を入力して検索をしてしまいました。
すると、「その表記は大変不適切な表現です!」とGoogleAIから叱られてしまいました。決まりが悪いので、スクロールした先にあった入力欄へ非礼のお詫びを打ち込むと、「そのように謝る姿勢は大切ですね」と返答があり、なんとなく少し安心をしました。
AIによるフラットな回答に、ハッとさせられた出来事でした。
もう一つは、ある新規のお客さんに訪問した時のお話です。
商談がある程度進んだ時に、先方から「ところでうちの会社を何でお知りになられたのですか?」との尋ねられました。そこで私から「AIで知りました」と答えると、この返事が先方にとってかなり意外だったらしく、目を丸くされていました。これは嘘を言ったわけでもウケを狙ったわけでもなく、その会社を知ったきっかけはAI機能(Google AIの要約)だったのですから、事実といえます。
そんなことがあった矢先、車の中でラジオを聴いていたら、ふと高校生のインタビューが聞こえてきました。その中で高校生たちが「悩みを抱えた時にはAIやChatGPTに相談することが多いです」と話していました。筆者もChatGPTには調べごとや、色々なことを聞くことも多いので、高校生の話は「なるほどな」と率直に感じました。
AIですから、もちろん感情などはもたないツールです。しかしプロンプト(指示文)によってはユーザーに寄り添った対話ルールを守る事ができるため、寧ろこういった使い方のほうがしっくりくるような気がします。ChatGPTは対話型生成AIなので、物ごとの取掛りとして相談や、簡単な調べものなどには良いツールだと思います。
ただし、あくまで我々が使用できる機能は、インターネット上に公開されている情報だけを収集し再構築して提示するものであるため、提示された情報をベースに、疑わしいものは裏を取り、きちんと自分の頭で考えることが何より重要であることは言うまでもありません(統計や学術的な話は特に注意が必要です)。
またAIツールの使用は、その開発者のサーバーに情報をアップロードするということですから、機密情報の漏洩等にも細心の注意を払わなければなりません。
ほかにも画像生成AIなどに関してはディープフェイク(画像・映像・ニュース)の問題や、SNSの収益化システムによる誤情報の拡散、各サービス上でのスパムアカウントの氾濫、著作権問題など社会的な問題が山積しているという、マイナスの側面も無視してはいけません。
いずれにしても、ずいぶんと社会は変わりましたね。
──そして、そんな2025年も年の瀬に差し掛かります。
今年も色々なことが起こりました。
10月には、日本の憲政史上はじめての女性総理大臣が誕生するなど、政治の世界の風景も大きく変化した1年でした。また、このところ大きな社会問題と化している「熊問題」などは、今後真剣に考えなといけないことでもあります。

その他にも、
・物価と賃金の問題。
・円安への対応。
・社会保障の問題を今後どう考えていくのか。
・有事の問題。
等々、気にかかることがたくさんあります。
筆者が若い頃には、それほど深刻に考えなくても良かったようなことが、重要な課題になっています。立ち止まって考えてみると、戦後から高度経済成長期、そしてバブル経済期を経て、失われた30年、そしてコロナ禍&ロシア・ウクライナ戦争と、日本は良くも悪くも、あまり深く考えなくとも何とか生きていくことができた時代だったと、改めて思います。(バブル期以降は、本当はそれではいけなかったのですが……)
これからは、間違いなく「そうではない時代」に入ってきた、と思っています。“覚悟”というと大げさですが、そう考えながら、新しい年を迎えようと思います。

