同じ呼称の職種でも、働き方に大きな違いがある!~業界研究と同じくらい職種研究が必要~

9月になりました。いよいよ高校生の就職活動が本格化してきます。
9月16日からは、企業によっての選考・面接が始まります。

そんな中、ふと考えてみたことがあるので、今回はそれを書いてみたいと思います。高校生就職の場合「業界研究」とあわせ「職種研究」に力を入れるのも良いのではないか、ということです。

もちろんすでに実施されているケースもあると思いますが、さらにテーマを絞り込んで考えてみると良いかもしれません。

例えば、高校生採用が比較的多い工場などの「製造職」について分析してみましょう。
パターンとしては、以下に分類されるのではないでしょうか。

A 通常の業務内容について

  1. 同じ製品・部品を製造する反復作業が中心の「製造ライン」業務。量産に特化した工場に多い。
  2. 案件ごとに違う製品を製造する「オーダーメイド型」の業務。受注型産業に多い。

B 働く場所(作業場所)について

  1. 同じ場所(決まった工程)で業務を行う。
  2. 違う場所(工程を跨ぎ、社外にも出る)で業務を行う。

長年採用事業に携わってきた筆者の立場からの見解として、まずは、Aにおいてそれぞれ力を発揮するタイプの人の「行動特性」を考えてみたいと思います。

A1の業務は「コツコツと物事を進めていくことが好きなタイプ」の人。
A2の業務は「変化を楽しめるタイプ」の人。

このような特性の人がそれぞれ能力を発揮できると言えるのではないでしょうか。
またBについては、Aの行動特性から導き出すことができます。

「コツコツと進めるタイプ」は、改善力や慎重さに長けているとも言えるため、B1のような「同じ場所」での勤務で力を発揮することができそうです。量産作業の中で作業の効率化の工夫や精度のアップによるキャリア形成が見込めます。

もう一方の「変化を楽しめるタイプ」の人は、変化する環境の中で臨機応変に対応する力に長けていると言えます。工程を跨いだり、顧客のニーズを引き出すなど、製造職でありながら調整力や提案力を伸ばすことで、キャリア形成が見込めます。

上記のようなことを意識した上で就職活動を行う人は、キャリア形成もスムーズで、結果的に良い職業人としての人生を歩んでいけるような印象も持っています。

ちなみに行動特性というものは、特に社会経験が少ない高校生や自己肯定感が低い人は表出しにくいのですが、必ずその人にはその人なりの特徴がある、と言われています。

少し極端ではありますが、「職種から選んでみたら、結果的にこの業界・会社に入っていた」というような職業選択の仕方もあり得るのだと思います。

以前、メガバンク・地銀・信用金庫・信用組合・JA等の営業職の違いを当ブログでも書いたことがありますが、同じ金融業界でも、その人が持つ行動特性によって仕事との相性があるということが考えられます。

いずれにしても大切なことは、「周りに流されず、自分の足で歩き、自分の目で確かめ、自分の頭で考えること」ではないでしょうか。

一方で、今は変化の激しい時代です。これまでの常識が覆されることもしばしば起こってしまいます。次回は、そのあたりの話題を踏まえたお話を展開できればと思います。