「履修履歴面接(リシュ面)」の特徴とその目的
9月になりました。
なんだか急に涼しくなりましたね!空も秋めいてきました。
今回は
以前ご紹介した「履修履歴面接」について掘り下げていこうと思います。
改めて皆さんは「履修履歴面接」はご存知でしょうか。
知らない方は是非先月のブログもご覧ください。
『履修履歴面接(リシュ面)とは』
その名の通り「学生の履修履歴」を基に行う面接手法です。
最近よく使われる表現だと「エビデンス(証拠)に基づいた面接手法」といえます。
従来よりも学生の学んできた内容にフォーカスをして、採用の判断材料にするという手法です。
このお話をしたとき、多くの採用担当の方は
「面倒くさそうな方法だなぁ。今まで通りでいいよ。」と思うかもしれません。
ですが私たちSo-Мatch運営は、それは逆だと考えています。
そう、面倒ではないんです。
むしろコンパクトで確実な採用活動に繋がるのでは…と考えています。
それはなぜなのか、考えていきましょう。
なぜ面倒ではないのか。
一言で言えば「証拠があるから」
よく「学生時代に力を入れていたことは何ですか?」という問いかけに対し、学生は「サークルで…アルバイト先で…ボランティア活動で…」などと話をする場面も多いかと思います。中には「この日の面接で話すために活動を頑張ってきた」という学生もいることでしょう。
ですがよく考えてみてください。
学生さんには気の毒ですが、これは結局のところ自己申告で、初対面の担当者にその場で「頑張った証明」はできないのです。
また個人の「頑張り」はあくまで本人の尺度ではかられるもので、採用における明確な判断基準などはありません。
(もちろん本人たちが何かを頑張ってきたこと自体は讃えるべきですし、決して無駄ではありませんが)
もし仮に採用担当者が「学生が頑張った証拠」を得るには、サークルやボランティアの活動の様子を当時の関係者に聞いたり、アルバイト先を突き止めてそこの店長さんに内緒で話を聞くだとかしなければなりません。
まあ…できなくはないですが…。
あまりお勧めできませんし、やる気も起きませんよね。普通はやらないです。
そうなると一体何をもって「頑張った」になるのか。
私にとっての「頑張り」とあなたにとっての「頑張り」は同じなのか…。
だんだん分からなくなってきましたね。
そう、この「学生時代に力を入れていたことは何ですか?」という問いは、
あくまで本人の性格など非認知的な能力の評価について、学生・面接官がそれぞれの主観の範疇において行うやりとりなのです。
(職種や募集部署によってはここが大きな判断基準となることも考えられるため一概には言えませんが、稀だとは思います)
一方、履修履歴とその評価は、まぎれもない「エビデンス」と言えます。
しかも教授という第三者が平等な基準において客観的・論理的に評価したものです。
そうなれば単純明快。
採用担当者は先生の評価と、「欲しい人材・欲しい能力」を照らし合わせる面接をすればいいのです。
そのために企業側も学生の履修履歴に対して求める内容を明確にしていく必要はありますが、採用担当者が評価判断に悩む時間は減ることでしょう。
つまり、履修履歴という信頼度の高い第三者の評価から学生の素性を容易に掘り下げることができるため、それが採用担当者の手助けとなります。
これが「コンパクトで確実な採用活動」につながると考える理由です。
余談ですが、コロナ禍において小池都知事や大阪の吉村府知事は「エビデンスが〇〇だから、こういった対策をしたい」と記者会見でよく言っていました。(政府がだいぶ邪魔をした感もありますが…)
そうした対策を講じたことで、大阪はひと頃感染者が抑制されたように見て取れる時期もありました。
何ごとも「エビデンス」を軽視したやり方は、今日のような厳しい社会環境下では無責任な結果を残すだけで、良い結果は生まれないのでしょう。
そう考えると、未だに重要視され続けている「笑顔・やる気・元気」は、あくまでも副次的な判断材料でいいと思えてきませんか?
また、誰が考えているのか知りませんが、年々増え続ける「過剰・不要なマナー」などは、もはや我々の採用活動の足を引っ張っているとしか思えません。あくまでおまけの判断材料とするべきなのです。
もちろん社会に出る上での最低限のマナーは必要ですが、聞いたこともないマナーを教える講座が乱立するなど「マナー産業」と言われるほどビジネス化してしまっている現実もあり、学生はそれを「社会に求められているのだから仕方ない」と思い、身につけるために時間を割くのです。
そして面接官の前でお作法を間違えないようにびくびくしながら、テンプレートのような言葉で話すことしかできなくなるのです。
これでは面接の趣旨が変わってしまいます。
本来求めているのは学生の能力に関する深い情報、もっと言えば「リアルで使える人材」であって、お行儀が良いだけの人間ではありません。
あまりにも不毛ではありませんか。
一方で
『それならば「履修履歴面接」は成績&実力至上主義なのか?人間性は評価せず成績だけを優先しろということか。やる気のない人材では困る!』
という問いが生まれてくることかと思いますが、これも少し認識が違っています。
整理すると…
履修履歴面接とは、成績の良し悪しに関わらず、「その人材がその職場に適しているか”最初の判断材料”として履修履歴を活用し、その学生が修めた学問を活かして活躍・会社に貢献できるかどうかを見出しましょう。」ということなのです。
その上で面接で人間性を評価するべきなのです。
ただ、「人間性の評価はエビデンスに欠け、互いの主観に左右されやすい要素なので傾倒しすぎないようにしましょう。」ということが肝なのです。
履修履歴面接にはいくつかの誤解があると予想します。
その誤解とは概ね以下の5点ではないでしょうか。
◆履修履歴面接5つの誤解
1.成績表活用は成績重視である。
2.履修履歴面接は勉強に興味のある学生を見つけるためである。
3.学生は授業に出ていないから、聞いても意味がない。
4.履修履歴面接を活用すると学生の不興を買う。
5.面接時間が長くなる。
これは、履修履歴面接についての、企業側の主な誤解といえます。
このことについては、大学成績センター代表辻太一朗著「履修履歴面接」(2015年東洋経済新報社発行)に詳しく書かれていますので、ご興味のある方は、当プロジェクトまでご連絡をいただければお話をさせていただきます。
いかがでしたでしょうか。
履修履歴面接とは何を目的としているのか、少しでもご興味をもっていただけたら幸いです。
お問い合わせは下記まで↓
株式会社杏花印刷
So-Match(ソーマッチ) プロジェクトチーム
kyoka@oregano.ocn.ne.jp